第54回 東京藝大シンフォニーオーケストラ定期演奏会

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▊ごあいさつ
矢代秋雄は、日本における西洋音楽史の中で、その理論やテクニックを完全にマスターした最初の作曲家の一人です。彼が残した作品は多くはありませんが、残された作品の完成度は極めて高く、その楽譜には無駄のない、研ぎすまされた音符たちが整然と並びます。今年で矢代秋雄が４６歳の若さで他界してからちょうど４０年が経ちました。それを記念して、今回東京藝大シンフォニーオーケストラがその代表作である《交響曲》に挑戦致します。この偉大な日本の作曲家の作品に触れる事は若い音楽家にとって素晴らしい体験になると同時に、次の世代に受け継いで行く任務であるとさえ思っています。大変な難曲ですが、素晴らしい演奏を奏楽堂に響かせてくれる事と期待しています。後半には、奏楽堂のガルニエ・オルガンをフルに使用してサン＝サーンスの交響曲第３番、別名「オルガン交響曲」を演奏いたします。是非お楽しみ下さい。

湯浅 卓雄

▊曲目

没後40周年記念
矢代秋雄《交響曲》
Akio Yashiro : Symphony

カミーユ・サン=サーンス《交響曲第３番》「オルガン付き」
Camille Saint-Saëns : Symphony No.3 in C minor, Op.78 “Organ”
オルガン ： 廣江 理枝 （東京藝術大学音楽学部准教授）

指揮 ： 湯浅 卓雄 （東京藝術大学演奏藝術センター教授）

東京藝大シンフォニーオーケストラ

▊出演

湯浅 卓雄 　指揮　　　Takuo YUASA　 Conductor
シンシナティ大学音楽院作曲理論科、ウィーン国立音楽大学指揮科卒業。国内外で各主要オーケストラと共演し、群馬交響楽団指揮者、B B Cスコットランド交響楽団首席客演指揮者、英国・アルスター管弦楽団首席客演指揮者を歴任。また、EMI、ABC、NAXOS等から数多くリリースされたC Dは高い評価を獲得している。その中でも、N A X O S のシリーズ『日本作曲家選輯』では中心的な存在として日本作品の普及に貢献。2 0 0 7 年井植文化賞文化芸術部門受賞。2 0 0 8 年国際ソロプチミスト「千嘉代子賞」受賞。現在、東京藝術大学演奏藝術センター教授。

廣江 理枝　オルガン　　Rie HIROE 　 Organ
東京藝術大学大学院オルガン専攻修士課程修了。DAAD（ドイツ学術交流会）奨学金を得てハノーファーならびにシュトゥットガルト国立音楽演劇大学に学び、ドイツ国家演奏家資格取得。オーデンセ、武蔵野市国際オルガン・コンクール最高位、シャルトル大聖堂国際オルガン・コンクール第1位および聴衆賞受賞。東京藝術大学音楽学部オルガン専攻准教授。日本オルガニスト協会、日本オルガン研究会会員、東京ドイツ語福音教会オルガニスト。

東京藝大シンフォニーオーケストラ　　Tokyo Geidai Symphony Orchestra
東京藝大シンフォニーオーケストラは、音楽学部の２～４年までの弦・管・打楽器専攻生を主体として編成され、古典から現代までのオーケストラ作品（管弦楽曲・協奏曲・オペラ等）を中心に学び、授業の成果を学内外で発表している。これまでに毎年行われる伊澤修二記念音楽祭や日本国際賞授賞式記念演奏会、別府アルゲリッチ音楽祭等に招待され高い評価を得てきた。
また、近年では外国人客演指揮者を迎えての演奏会も積極的に行い、これまでネルロ・サンティ、ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー、クルト・マズア、ハンス＝マルティン・シュナイト、ペーター・チャバ、ドミトリー・シトコヴェツキー、ジョルト・ナジ、ダグラス・ボストックの各氏のほか、多数の共演を果たした。

※スケジュール・曲目・出演者等は都合により変更となる場合がありますので、ご了承ください