日本[にっぽん]
上方落語[かみがたらくご]
「上方[かみがた]」とは?
江戸時代[えどじだいご]、天皇[てんのう]が住[す]んでいた京都[きょうと]のこと。
京都[きょうと]や大阪[おおさか]のある近畿地方[きんきちほう]も、江戸[えど]からみて上方[かみがた]と呼[よ]ぶようになったよ。
「落語[らくご]」とは?
噺家[はなしか]が一人[ひとり]でおもしろい噺[はなし]を聞[き]かせる芸[げい]。
噺[はなし]の終[お]わりは「オチ」がつくよ。
「上方落語[かみがたらくご]」とは?
大阪[おおさか]を中心[ちゅうしん]に行[おこな]われている落語[らくご]。噺家[はなしか]も関西弁[かんさいべん]で話[はな]すんだ。
噺[はなし]には「ハメモノ」がたくさん入[はい]ってにぎやかだよ。
「上方落語[かみがたらくご]」で使[つか]う楽器[がっき]
三味線[しゃみせん]、能管[のうかん]、篠笛[しのぶえ]、締太鼓[しめだいこ]、大太鼓[おおだいこ]、当[あた]り鉦[がね]、拍子木[ひょうしぎ]
儀礼[ぎれい]の太鼓[たいこ]
寄席[よせ]の「はじまり」や「おわり」に決まった音楽[おんがく]を演奏[えんそう]するよ。- 一番太鼓[いちばんだいこ] お客[きゃく]さんが大勢[おおぜい]来[く]るように「ドンドン ドントコイ」と打[う]つよ。
- 二番太鼓[にばんだいこ] お客[きゃく]さんが幸[しあわせ]になるように「オタフク コイコイ」と打[う]つよ。
- お中入[なかい]り 途中[とちゅう]の休憩[きゅうけい]の前[まえ]に打[う]つんだ。
- 中入[なかい]り後[ご]の砂切[しゃぎり] 休憩[きゅうけい]が終[お]わった時[とき]、早[はや]く席[せき]に戻[もど]ってほしいから速[はや]く打[う]つよ。
- 果太鼓[はてだいこ](お時間[じかん]) お客[きゃく]さんが早[はや]く帰[かえ]るように「デテケ デテケ」と打[う]つよ。
- しころ おめでたい会[かい]の時[とき]は、この曲[きょく]で終[お]わるんだ。
出囃子[でばやし]
噺家[はなしか]が高座[こうざ]に上[あ]がる時[とき]の音楽[おんがく]だよ。一人[ひとり]ずつ出囃子[でばやし]が決まっているから、曲[きょく]を聞[き]けば誰[だれ]が登場[とうじょう]するかがわかるんだ!
- 石段[いしだん] 一番[いちばん]始[はじ]めに落語[らくご]をやる人(前座[ぜんざ])専用[せんよう]の出囃子[でばやし]だよ。
- やぎさんゆうびん 「白[しろ]やぎさんからお手紙[てがみ]ついた〜」って歌える?
- オクラホマミキサー フォークダンスの曲[きょく]だよ!踊[おど]ったことあるかな?
- お江戸日本橋[えどにほんばし] 江戸[えど]から京都[きょうと]までの旅[だび]を歌[うた]った歌[うた]だよ。
- 炭坑節[たんこうぶし] 盆踊[ぼん]りできいたことがあるかな?
- くいな
- どうぞ叶[かな]えて
- だんじり 大阪[おおさか]のだんじり祭[まつり]の曲[きょく]だよ。
- じんじろ
- 獅子[しし] 大阪[おおさか]の天神祭[てんじんまつり]の曲[きょく]だよ。
- あやめ浴衣[ゆかた]
- 正札付[しょうふだつき]
- 都囃子[みやこばやし]
ハメモノ
ハメモノは、落語[らくご]で使[つか]うお囃子[はやし]のこと。ここでは、自然[しぜん]の音[おと]を真似[まね]たハメモノをきいてね。
- 水音[みずおと] 川[かわ]の流[なが]れを真似[まね]ているよ。
- 波音[なみおと] 打[う]ち寄[よ]せる波[なみ]しぶきを表現[ひょうげん]しているよ。
- 千鳥[ちどり] 波音[なみおと]に三味線[しゃみせん]を入[い]れているよ。
- 雨音[あまおと] 屋根[やね]に雨[あめ]があたっているみたいだね。
- 風音[かざおと] 風[かぜ]がふいて、戸[と]がガタガタいってるみたい!
- すごきの相方[あいかた] 落語[らくご]「七度狐[ひちどぎつね]」より (下座[げざ])
- 雪音[ゆきおと] 雪[ゆき]の降[ふ]る静[しず]けさを音[おと]で表現[ひょうげん]しているよ。
- 雪[ゆき]が落[おち]た音[おと] 木[き]に積[つも]った雪[ゆき]がドサっと落[お]ちた様子[ようす]だよ。
- 雪[ゆき]の相方[あいかた] 落語[らくご]「池田[いけだ]の猪買[ししか]い」より 三味線[しゃみせん]が入[はい]るともっと寒[さむ]く感[かん]じるね。 台本[だいほん]
ハメモノをたくさん使[つか]った落語[らくご]
三味線[しゃみせん]と下座[げざ]の人[ひと]は、舞台[ぶたい]の脇[わき]から舞台[ぶたい]を見[み]ながら楽器[がっき]を演奏[えんそう]するんだ。お客[きゃく]さんから楽器[がっき]を演奏[えんそう]する人[がっき]は見[み]えないよ。
- 蛸芝居[たこしばい]
- (1)始[はじ]まりの場面[ばめん] 下座[げざ]: 三番叟[さんばそう] 台本[だいほん]
- (2)表[おもて]の掃除[そうじ]の場面[ばめん] 下座[げざ]: 水撒[みずま]き、 半唄[はんうた] 台本[だいほん]
- (3)お仏壇[ぶったん]の掃除[そうじ]の場面[ばめん] 下座[げざ]: 相方[あいかた] 台本[だいほん]
- (4)子守[こも]りの場面[ばめん] 下座[げざ]: 守唄[もりうた] 台本[だいほん]
- (5)魚屋[さかなや]が来[き]た場面[ばめん] 下座[げざ]: 鯛[たい]や鯛[たい]、 千鳥[ちどり] 台本[だいほん]
- (6)蛸[たこ]とやりあう場面[ばめん] 下座[げざ]: 木[こ]の葉[は]、 安宅[あたか]〜引取[ひきと]り三重[さんじゅう] 台本[だいほん]
- 辻占茶屋[つじうらぢゃや]
- (1)茶屋[ちゃや]入[い]りの場面[ばめん] 下座[げざ]: 辻占屋[つじうらや] 台本[だいほん]
- (2)二階座敷[にかいざしき]の場面[ばめん] 下座[げざ]: 由縁[ゆかり]の月[つき]、ほか 台本[だいほん]
- (3)四ツ橋[よつばし]の場面[ばめん] 下座[げざ]: 柳[やなぎ]相方[あいかた] 台本[だいほん]
寄席[よせ]の踊[おど]り
- 「松[まつ]尽[づ]くし」 下座[げざ](最後[さいご]~果太鼓[はてだいこ])
- 「松[まつ]尽[づ]くし」 踊[おど]り 歌詞[かし]
寄席[よせ]
落語[らくご]の会場[かいじょう]を寄席[よせ]というんだ。
- 出演者表[しゅつえんしゃひょう]
寄席[よせ]の入口[いりぐち]に出演者[しゅつえんしゃ]の名札[なふだ]があるよ。
- 高座[こうざ]
噺家[はなしか]が噺[はなし]をする場所[ばしょ]を高座[こうざ]というよ。
噺家[はなしか]は座布団[ざぶとん]に座[すわ]って噺[はなし]をするんだ。
上方落語[かみがたらくご]では、噺[はなし]によって見台[けんだい]と膝隠[ひざかく]しを使[つか]うよ(左[ひだり]の写真[しゃしん])。