日本[にっぽん]

能楽[のうがく]


能楽ってなに?   能の役柄と役割   囃子の楽器   能の演じかた   能のものがたり   能の舞台

  • 能楽[のうがく]ってなに?
    室町時代[むろまちじだい]のころからある日本[にっぽん]のミュージカル。
    [うたい]と舞[まい]と囃子[はやし]を組[く]み合[あ]わせたお芝居[しばい]だよ。
    能楽[のうがく]のことを"能[のう]"や"お能[のう]"とよぶ人[ひと]もいるね。
    いろんな流派[りゅうは]があるんだ。ここでは観世流[かんぜりゅう]の能[のう]を紹介[しょうかい]するよ。
  • [うたい]ってなに?
     お能[のう]の歌[うた]とせりふのこと。
    [まい]ってなに?
     [のう]のダンスのこと。バレーみたいにピョンピョン跳[はね]たりしないよ。はねるのは踊[おど]りで舞[まい]とは違[ちが]うもん。だから能[のう]では"舞[まい]を舞[ま]う"というんだ。
    囃子[はやし]ってなに?
     [のう]を盛[も]り上[あ]げたり支[ささ]える、楽器[がっき]の演奏[えんそう]のこと。

  • [のう]の役柄[やくがら]と役割[やくわり]
    [のう]では、みんなの役割[やくわり]がはっきり分[わ]かれているよ。
  • シテ方[かた]つぎの4つの役割[やくわり]があるよ。
       シテ 主役[しゅやく]
       ツレ シテのお供[とも]
       地謡[じうたい] 合唱[がっしょう]のこと。シテの気持[きも]ちやお話[はなし]の内容[ないよう]を謡[うたい]で説明[せつめい]する。
       後見[こうけん] 舞台[ぶたい]で演技[えんぎ]をする人[ひと]を着替[きが]えさせたり、小道具[こどうぐ]を渡[わた]したり、お手伝[てつだ]いをする。ただし、シテの具合[ぐあい]がわるくなったら、かわりにその役[やく]ができるぐらい、なんでもよく知[し]っている人[ひと]だよ。  
    ワキ方[かた]つぎの2つの役割[やくわり]があるよ。
       ワキ 脇役[わきやく]
       ワキツレ ワキのお供[とも]
    囃子方[はやしかた]
      [のう]で楽器[がっき]を演奏[えんそう]する人[ひと]たち。
    楽器[がっき][ふえ](能管[のうかん]小鼓[こつづみ]大鼓[おおつづみ]太鼓[たいこ]の4種類[しゅるい]だよ。
    みんな知[し]ってる?おひなさまの五人囃子[ごにんばやし]のうち四人[よにん]は能[のう]の囃子方[はやしかた]だよ。あとの一人[ひとり]は謡[うたい]の人[ひと]
    狂言方[きょうげんかた]
      [のう]の途中[とちゅう]で詳[くわ]しい説明[せつめい]をしてくれるよ。「狂言[きょうげん]」という楽[たの]しいお芝居[しばい]もするよ。狂言[きょうげん]は、せりふ中心[ちゅうしん]の劇[げき]なんだ。

  • 囃子[はやし]の楽器[がっき]
    [ふえ](能管[のうかん]小鼓[こつづみ]大鼓[おおつづみ]太鼓[たいこ]、それぞれ専門[せんもん]の人[ひと]が演奏[えんそう]する。

    ◆掛[か]け声[ごえ]がたいせつ!
    小鼓[こつづみ]大鼓[おおつづみ]太鼓[たいこ]の演奏者[えんそうしゃ]はかならず掛[か]け声[ごえ]をかける。気合[きあい]を込[こ]めた掛[か]け声[ごえ]で、季節[きせつ]や時間[じかん]やいろいろな気分[きぶん]をあらわし、舞台[ぶたい]のみんなのタイミングもとれるんだって。

  • [のう]の演[えん]じかた
    [のう]にはいくつかやりかたがある。

    [のう]
     一番[いちばん]正式[せいしき]なやりかた。
     
     演者[えんじゃ]全員[ぜんいん]が装束[しょうぞく]をつける。お能[のう]では衣装[いしょう]のことを装束[しょうぞく]というよ。シテとツレは役[やく]によっては面[おもて]もかけるんだ。
     地謡[じうたい]紋付袴[もんつきはかま]を着[き]て、舞台[ぶたい]右手[みぎて]の地謡座[じうたいざ]で謡[うた]う。
     囃子方[はやしかた]紋付袴[もんつきはかま]を着[き]る。小鼓[こつづみ]と大鼓[おおつづみ]の人[ひと]は"床几[しょうぎ]"という折[お]りたたみ椅子[いす]にこしかける。
     後見[こうけん]紋付袴[もんつきはかま]を着[き]て、舞台[ぶたい]の奥[おく]の後見座[こうけんざ]でスタンバイ。
    舞囃子[まいばやし]  経政[つねまさ]  [とおる]  熊坂[くまさか]
     シテがクライマックスの舞[まい]だけを囃子方[はやしかた]の伴奏[ばんそう]で舞[ま]う。
     
     シテ:紋付袴[もんつきはかま]を着[き]る。装束[しょうぞく]はつけず、面[おもて]もかけない(かけている気持[きも]ちで舞[ま]う)。
     囃子方[はやしかた]全員[ぜんいん]が床[ゆか]に正座[せいざ]する。床几[しょうぎ]はつかわない。
     地謡[じうたい]舞台[ぶたい]右手[みぎて]の地謡座[じうたいざ]の近[ちか]くで謡[うた]う。
    仕舞[しまい]  井筒[いづつ]  熊野[ゆや]  西王母[せいおうぼ]
     シテが紋付袴[もんつきはかま]で一番[いちばん]の見[み]せ場[ば]を地謡[じうたい]にあわせて舞[ま]う。囃子[はやし]の伴奏[ばんそう]はない。面[おもて]もかけない(かけている気持[きも]ちで舞[ま]う)。
    素謡[すうたい]  
     [うたい]だけを紋付袴[もんつきはかま]で座[すわ]って謡[うた]う。シテ・ワキ・ツレ・地謡[じうたい]などの役[やく]を分担[ぶんたん]して数人[すうにん]で謡[うた]う。囃子[はやし]の伴奏[ばんそう]はない。
    独吟[どくぎん]
     一人[ひとり]だけで一番[いちばん]の聞[き]かせ所[どころ]を謡[うた]う。囃子[はやし]の伴奏[ばんそう]はない。
    連吟[れんぎん] 草紙洗[そうしあらい]
     複数[ふくすう]で一番[いちばん]の聞[き]かせ所[どころ]を謡[うた]う。囃子[はやし]の伴奏[ばんそう]はない。

  • [のう]のものがたり
    日本[にっぽん]や中国[ちゅうごく]の古[ふるい]いお話[はなし]や伝説[でんせつ]をもとに作[つく]られているよ。人間[にんげん]のほかに神様[かみさま]や鬼[おに]、植物[しょくぶつ]の精[せい]や、幽霊[ゆうれい]も主人公[しゅじんこう]になるんだって。狂言[きょうげん]のお話[はなし]はおかしくて笑[わら]っちゃうけれど、能[のう]のお話[はなし]はまじめ。

  • [のう]の舞台[ぶたい]

    舞台[ぶたい]と客席[きゃくせき]





  • [おことわり]

    この頁で掲載する、舞囃子と仕舞、連吟の映像は、下記の助成を受け、
    「能楽公演 東京藝術大学130周年記念特別展 藝「大」コレクション展
    パンドラの箱が開いた!関連企画」(2017年8月25日)で収録されました。
    本公演の詳細はこちら

      ・藝大フレンズ賛助金
      ・東京藝術大学音楽学部同声会助成金
      ・公益財団法人 文化財保護・芸術助成財団